糖尿病網膜症
糖尿病網膜症とは?
糖尿病網膜症は糖尿病腎症・神経症とともに糖尿病の3大合併症のひとつで、我が国では成人の失明原因の第一位となっています。
網膜は眼底にある薄い神経の膜で、ものを見るために重要な役割をしています。網膜には光や色を感じる神経細胞が敷きつめられ、無数の細い毛細血管が張り巡らされています。
糖尿病で血糖値が高い状態が続くと、網膜の細い毛細血管に障害が起こります。毛細血管壁が瘤のように膨れたり(微小血管瘤)、血液が毛細血管壁から漏れ出たり(斑状出血)、血液の脂肪成分やたんぱく質が漏れ出て網膜に沈着してきます(硬性白斑)。さらに悪化すると、毛細血管が閉塞して(軟性白斑)、その先に酸素や栄養がいかなくなり、それを補おうとして新生血管ができます。新生血管は壁が脆く簡単に破れてしまうため、そこから大きな出血(硝子体出血)を起こしてしまいます。
糖尿病の診断がついて5年ぐらい経過すると糖尿病網膜症が出ると言われています。定期的な眼底検査が大切です。
レーザー光凝固治療で大きな出血を予防できます。進行具合によって、レーザーの照射数や照射範囲が異なります。早い時期であればかなり有効で、将来の失明予防のために大切な治療です。